【派遣ナースのリアル】在宅ワークを諦めて、派遣という働き方にたどり着くまでの話

「動画編集で在宅ワークをしよう」そう決意してしばらく経った頃、私は静かにその夢を手放しました。
現実はあまくなかった……。

潔く方向転換して、「やっぱり私は雇われる側のほうが向いている」と、自分に言い聞かせる日々。
それから、異業種への挑戦をメインに求人を探しつつ、生活の安定のために看護師としても働こうと考え始めました。
その際に選んだのが、「期間が決まっている派遣」という働き方でした。

派遣を選んだ理由と、予想外の展開。週1回、2回はアリ?

看護師として週1~2回働き、副業という形でバランスを取る。
そんな理想を描いていましたが、現実はあまくありませんでした。

私は都心から少し離れた場所に住んでいます。
そのため、「週1〜2回OK」の派遣先はそもそも数が少ない……。
2週間ほど粘ってみましたが、新しい求人は出ず、諦めました。

どうやら、看護師派遣は「週4〜5日勤務」が基本。
少ない日数だと、そもそも候補にも入れないことが多いようです。

無職になった今が異業種へ転職のチャンス?

「このタイミングで異業種に飛び込むべきかも…?」
そんな思いもありました。
でも、私は看護師という仕事が“完全に嫌になった”わけではありません。
病院勤務しか経験がなかったから、医療機関の外に出てみれば、見える景色が変わるかもしれない。

とはいえ、30代後半で未経験の業界に飛び込む勇気はなかなか持てず……。

正直、異業種に転職するならもっと若い頃に動いていたはずです。
看護師以外の求人を見ても、「私にできそう」と思える仕事がほとんどない。
だったらもう、「これが私の天職なのかも」と思い込むことにしました。

派遣で働くためにやったこと

週4〜5日勤務OKの前提で、派遣求人を探し始めました。
その中で気づいたのは派遣会社は複数登録しておくのが正解ということ。

派遣会社ごとに強みが違うんです。

  • 時給の設定が違う
  • 施設系に強いのか、いろいろな場所が選べるのか
  • 単発や短期を多く扱っているのか、長期に特化しているのか

自分の希望に合う会社を見つけるには、ある程度の数をあたるのがコツ。

派遣での“あるある”体験談

「日勤あり」と聞いていたのに、いざ顔合わせに行くと「うち、今は日勤ないんです」と、さらっと言われたこともありました。
求人票の情報と実際の勤務条件にズレがあるのも、派遣ならでは……なのかもしれません。

また、派遣先の方から勤務日数や通勤方法だけでなく、結婚しているか、子どもがいるかどうかといった家庭の状況についても聞かれることも多々あります。
どうやら、以前に「お子さんの急な体調不良でお休みが続いた方がいた」など、実際のトラブルを背景にしているようですが、ちょっとドキッとする瞬間です。

派遣スタッフに対する「欠勤へのシビアさ」は、正社員よりも厳しく感じる場面があるのも事実。
即戦力を求められる立場だからこそ、少しの条件でも不安要素と見なされてしまうことがあるようです。

不思議なもので、決まると他の案件がどんどん出てくる

結局、私は老人ホーム以外の派遣先に決まりましたが、それ以降、不思議と魅力的な案件がどんどん目に入るようになりました。
「あるある」ですね、こういうの。

派遣先を選ぶときに重視したこと

派遣で働くと決めてから、いくつかの施設で顔合わせをする中で感じたのは、求人情報だけでは本当に分からないことが多いということです。

求人サイトには「常勤・非常勤」の直接雇用の情報だけなので、派遣スタッフの扱いについては情報がほとんどありません。
でも実際には、その施設が派遣をどう受け入れているか、どういうスタンスで扱っているかって、働きやすさに大きく関わってきます。

私は特にこんなところに気をつけていました:

  • 派遣社員を多く受け入れている施設かどうか(=慣れているか)
  • 求人がいつも出ている施設は、なぜ人が定着しないのか考えてみる
  • 顔合わせや見学だけでは分からないことも多いので、「家から近いか」は実はかなり重要

そしてもうひとつ。
求人情報では見えにくいけれど、「直接雇用のスタッフを大事にしているか」です。
正社員やパート職員への扱いが雑なところは、当然のように派遣にも厳しい場合が多いと思います。
逆に、スタッフ全体を大切にしている職場は、少なからず派遣にもそれが伝わってくるもの。
細かいところかもしれませんが、「人をどう扱うか」は、施設全体の空気に表れると考えています。

最後に:今の正直な気持ち

正直なところお金に余裕があるなら、働かずにのんびり過ごしたいというのが本音です。
無職生活は思っていた以上に快適で、自分のペースで毎日を過ごせる楽しさがありました。

でもその一方で、お金がどんどん減っていく不安や、仕事が決まらないことへの焦りも確かにありました。
楽しいだけでは済まされない現実も、ちゃんとそこにありました。

今はひとまず、派遣という働き方を選びましたが、これから先もずっと派遣で…というわけではありません。
いずれは正社員に戻るつもりですし、そのとき自分が「やっぱり病院で働きたい」と思っているのか、
「もう病院の外の世界でやっていきたい」と思っているのか、それは未来の自分次第。

とりあえず今は、新しく決まった派遣先で、目の前の仕事にしっかり向き合っていこうと思います。

焦らず、無理せず、自分のペースで。
そんなふうに、これからも働き方を選んでいけたらいいなと思っています。